MT5はプロも使うと言われるほど高機能なFX専用の取引プラットフォームです。
そんなMT5をこれから使うにあたって、ダイバージェンスをいう言葉を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
しかし、投資の経験のない人にとっては、ダイバージェンスと聞いても言葉だけではどういったものかイメージさえしづらいのではと思います。
そこで今回はMT5のダイバージェンスについて詳しく解説していきます。
MT5のダイバージェンスを詳しく解説
MT5のダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは、MT5のチャートに表れるさまざまな指標が異なる傾向を示すことを意味する言葉です。
ダイバージェンス(Divergence)自体は「発散」や「分岐」を意味する英単語ですが、MT5で使われる場合は「逆行」と訳されがちです。
何が何に逆行しているかというと、インジケーターが実際のマーケットに対して逆行しています。
これがどういうことを意味するかというと、たとえばインジケーターが実際のマーケットに対して先行して反応している可能性が読み取れます。
この場合は遅からずマーケットがMT5のインジケーターが示す方向へ転換することが予想できます。
実際にはそこまで単純なケースはそうありませんが、MT5のチャートに表れる注目すべきポイントであることは紛れもない事実です。
ダイバージェンスが見られたら背後に何があるのかは注意深く分析してみることをおすすめします。
MT5のダイバージェンス例【RSI】
MT5のダイバージェンスは実際のマーケットに対して指標が逆の動きをする逆行現象です。
たとえば、MT5のRSIは70以上が買われすぎ、30以下が売られすぎと見られるインジケーターです。
したがって、普通はマーケットが上昇トレンドのときはRSIも高くなっていきます。
しかし、その傾向に逆らってRSIが横ばい、あるいは下落しているときはダイバージェンスが生じているといえます。
見方を変えると、これはマーケットの反転に先だってMT5のRSIが下落したとも考えられます。
実際のトレードでは、そこから今後の下落を予想して逆張りのショートを取るような戦略が考えられるでしょう。
ただし、MT5のダイバージェンスはあくまでもチャートの原則から外れた動きであるだけ。
それが今後の値動きを織り込んだ反応とまでは言い切れません。
たとえばこの例でいえば、下落したRSIを補って余りあるマーケットの勢いが継続すれば、ふたたびRSIも上昇に転じるかもしれません。
ちなみに、こうしたトレンド継続を裏付けるダイバージェンスをとくに「ヒドゥンダイバージェンス」と呼びます。
この場合は順張りのサインと取ることも可能です。
MT5のダイバージェンス例【MACD】
MT5のMACDは移動平均線を根拠としたインジケーターです。
このMACDもダイバージェンスが確認しやすいインジケーターのひとつです。
主なMACDの見方は、簡単にいえば移動平均線とほぼ同じで、インジケーター同士のクロスを見ていくことになります。
ただ、MT5のMACDにはヒストグラム(棒グラフ)も存在します。
そして、そちらの場合は一般的にマーケットの上昇にともなってヒストグラムも上昇していくはずです。
しかし、マーケットが上昇トレンドを続けているにもかかわらずMACDのヒストグラムが下落している場合、これはダイバージェンスが生じていると判断できます。
この場合もまた、マーケットの転換点が近いとみなして逆張りでエントリーする戦略が考えられるでしょう。
ただ、MT5のMACDは移動平均線をもとにしたインジケーター。 平均をもとにしているだけにマーケットへの追従性がやや低めです。
そのため、ダイバージェンスは単にインジケーターの反応が遅れただけの可能性も否定できません。
MT5のインジケーターを使うにあたって細かい計算式を覚えておく必要はまったくありません。
しかし、ざっくりとでも算出方法の概要くらいは理解しておくことをおすすめします。
MT5のダイバージェンスとリバーサルの違い
MT5のチャートにはダイバージェンスと似たものとしてリバーサルも存在します。
ただ、リバーサルとはいったものの、これは先ほど触れたヒドゥンダイバージェンスのことです。
つまり、トレンドの継続を示唆するダイバージェンスです。
英単語としては「リバーサル」は「反転」などを意味しますが、MT5のダイバージェンスでいうところのリバーサルはむしろ「継続」です。
とはいえ、若干の調整はされがちです。 そこを狙って、いわゆる押し目買いや戻り売りに活用するのが一般的なリバーサルの活用法です。
MT5のダイバージェンスの注意点
MT5のダイバージェンスはチャートに表れる兆候としては比較的目立つものです。
そのため、ダマシに会いやすいという注意点があります。
ダマシとは、インジケーターが示唆する内容とは異なる方向にマーケットが動く現象です。
詳しい手法は分かりませんが、大口投資家が意図的にマーケットにそうした兆しを作ることもできるようです。
とくに算出根拠が短期間のインジケーターほど分かりやすいダイバージェンスも表れがちです。
幸いにして、MT5には実に多種多様なインジケーターが存在します。
分かりやすいダイバージェンスが見られたときほど、他のインジケーターでも同じような結論が得られるかはチェックしておくようにしましょう。
MT5のダイバージェンスの補完方法
MT5のダイバージェンスはそれだけでは根拠がやや弱めです。
その場合に役立つ理論がダウ理論やエリオット波動です。
これらはマーケットは一定のパターンを描いて動くという理論です。
その理論に基づいたタイミングでダイバージェンスが見られれば、実際にマーケットが反転する可能性もさらに高まるというわけです。
ただ、MT5自体にダウ理論やエリオット波動といったインジケーターは存在しません。
また、厳密な理論どおりにチャートからパターンを見出すのも簡単ではありません。
これもまた幸運なことに、MT5にはダウ理論やエリオット波動をベースにしたインジケーターが少なくありません。
たとえば、フィボナッチツールはエリオット波動やダウ理論と相性のよい代表的なインジケーターです。
MT5でダイバージェンスを補強するときはそうしたインジケーターを併用してみるとよいのではと思います。
MT5のダイバージェンスを詳しく解説 まとめ
MT5のダイバージェンスとは、マーケットと指標の方向性に乖離が生じることを意味する言葉です。
一般的にはダイバージェンスが生じるとその後のマーケットは反転しやすいと判断されます。
ただし、逆にダイバージェンスが表れたにもかかわらずトレンドが続くことでトレンドの力強さを裏付ける場合もあります。
とはいえ、いずれにせよMT5のチャートに表れたダイバージェンスは大きな意味を持つことが少なくありません。
ダマシの可能性もありますが、ダイバージェンスが見られた場合は、そこにどういった意味があるのかは自分なりに考えてみることをおすすめします。