MT5のフィボナッチってなに?
フィボナッチの種類や描画方法について詳しく知りたい。
MT5のアプリではフィボナッチを使えるの?
あなたは今、このようにお考えですよね。
MT5が搭載するテクニカル指標のひとつとしてフィボナッチがありますが、はじめて耳にする方はどのようなものなのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
またフィボナッチの使い方を知りたいという方に向けて、ここではMT5のフィボナッチについて詳しく解説していきましょう。
MT5のフィボナッチを詳しく解説
MT5のフィボナッチとは?
MT5のフィボナッチとは、インジケーターのひとつです。
インジケーターとは、相場を分析するための指標をさしており、チャートに追加すれば指標に応じた相場の状況を読み取ることができます。
MT5ではデフォルトで数十種類のインジケーターが利用できます。
フィボナッチとは、フィボナッチ数列と呼ばれる数学的な根拠に基づいて描かれるインジケーターをさしています。
「1,1,2,3,5,8・・・」といった「直前2つの数字を足した数字が並ぶ数列」をフィボナッチと言います。
この数列のおもしろいところは普遍性であり、自然界のさまざまな現象を数値化すると表れてくることでしょう。
詳しい解説は省略しますが、要するにフィボナッチ数列は「1:1.618」という黄金比を表します。
たとえば、カタツムリの殻のかたち、ひまわりの種の並びなどはフィボナッチ数列になっています。
またFXのチャートでもさまざまな局面でこのような黄金比が表れるという傾向があります。
そこを活かしてトレードに活用しようというインジケーターが、MT5のフィボナッチです。
オカルトのような印象をもつ方がいるのかもしれませんが、経験豊富なトレーダーの多くも強力な指標としてフィボナッチを活用しています。
もとを返せば人間も、自然界に存在する生物・現象のひとつにすぎませんので、その営みであるFXのチャートにフィボナッチが表れても不思議なことはないと言えるのではないでしょうか。
MT5 フィボナッチの描画方法
MT5によるフィボナッチの、基本的な描画方法をみていきましょう。
まずはメニューから「挿入」をクリックして「オブジェクト」に進み「フィボナッチ係数」を選んだら、6種類の中から使いたいフィボナッチの描画ツールをクリックします。
描画ツールを選んだら、チャート上にフィボナッチの基点となる始点をクリックしたら、終点までドラッグしましょう。
これで2点を基準としたフィボナッチのラインがチャートに表示されます。
終点部分を0とした、フィボナッチ比率のラインが描画されます。
ラインの描画方法を終えると、フィボナッチのラインを選択してダブルクリックすれば、編集や修正、削除ができます。
フィボナッチのラインにある、ハンドルをドラッグすれば始点と終点の移動、ライン中央のハンドルをドラッグして移動もでき、フィボナッチを選択した状態でDelateキーを押せば削除できます。
ライン上で右クリックすれば、プロパティの画面を表示できるので、こちらでフィボナッチの編集を行えます。
フィボナッチの共有、レベル、パラメーター、表示選択タブをそれぞれ設定できます。
たとえば共有タブでは、フィボナッチの名前、説明、スタイル、オブジェクトを背景として表示のタブから設定、もしくは選択を無効化することもできるでしょう。
最後にOKをクリックすれば、フィボナッチの描画方法は終了です。
MT5 フィボナッチの種類
MT5のフィボナッチは6種類を採用しています。
- フィボナッチリトレースメント
- フィボナッチタイムゾーン
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
- フィボナッチチャンネル
- フィボナッチエクスパンション
フィボナッチの名称が実態を示していると考えればわかりやすいでしょう。
タイムゾーンはフィボナッチに時間の要素を加えたものをさしており、ファンは扇、アークは孤と、MT5に描かれるインジケーターのかたちを示しています。
なおMT5でもっともメジャーなフィボナッチツールは、リトレースメントとエクスパンションであり、それ以外はただ切り口を変えたものと言えます。
MT5の「フィボナッチリトレースメント」
フィボナッチリトレースメントは、2つの価格を指定し、設定した価格からの変動に対して何%の戻りになるか「価格の戻りの割合」を測るためのチャート分析ツールです。
価格Aと価格Bを指定すると、その情報にもとづいて自動的に複数のラインが描画されます。
そのラインのいずれかがレジスタンスライン、あるいはサポートラインになる可能性が高いとみなせるでしょう。
MT5で過去のチャートを参照してフィボナッチリトレースメントを引いてみると、フィボナッチのラインに沿った部分で市場ののトレンドが変わっていることが確認できます。
MT5の「フィボナッチエクスパンション」
フィボナッチエクスパンションは、チャートがどの程度まで伸びていくかを予想するツールで、3つの価格を指定します。
MT5のチャート上で価格A、B、Cの3つのポイントを指定すると、フィボナッチ比率に応じた複数のラインが自動的に描画されます。
たとえばAからBまでの下落相場における値幅を元に、Cからの上昇相場に対してフィボナッチ比率に基づいた水準にラインを描画していきます。
下押し後の再上昇や、戻り後の再下落の目安を探り、利益確定のタイミングを目安として測る場合に活用されるでしょう。
MT5のフィボナッチエクスパンションでは「0.618」「1」「1.618」のラインがデフォルトで描画されますが、0.618という数字はフィボナッチ数列のキーとなる値です。
FXで0.618という数字を見かけたらフィボナッチ関連と考えてまず間違いないかと思います。
MT5 フィボナッチはスマホアプリでも使える
フィボナッチはMT5のデフォルトで実装されているインジケーターですので、スマホアプリ版のMT5でも使えます。
スマホアプリだからと言ってフィボナッチの種類が減ってしまうこともなく、PC版と同じものを利用できます。
ただしスマホアプリのMT5は、画面が小さくなるため、フィボナッチが見づらくなってしまうことは否定できません。
MT5は、同じFX業者のアカウントをスマホアプリでもPCでも使えるため、併用する使い方がおすすめです。
スマホ版のMT5は、画面の縦横を切り替えるとフィボナッチがバグるとの口コミもあります。
このため、できればフィボナッチで分析するときには、PC版のMT5を使うことをおすすめします。
MT5 フィボナッチは自動化もできる
MT5のフィボナッチは描画を行いますが、描画せずに設定するだけで表示する使い方として、カスタムインジケーターを利用することもできます。
ただしカスタムインジケーターの利用は、PC版のMT5のみしか使えません。
カスタムインジケーターを活用すれば、フィボナッチを描画することなく設定するだけで表示できるため、カスタムインジケーターの導入も検討してみましょう。
MT5のカスタムインジケーターの使い方は、データファイルをMT5の「データフォルダ」へコピーして行います。
フィボナッチの編集方法については、MQLエディタで編集を行いましょう。
アップデートの影響かもしれませんが、MT5は既存のフィボナッチが削除されてしまうことがあります。
決まったかたちで繰り返しフィボナッチを描画することが多い方は、インジケーターで自動化してみるとよいでしょう。
MT5のフィボナッチを詳しく解説まとめ
MT5のフィボナッチは、数あるテクニカル指標の中でも多くのトレーダーに利用されている人気のインジケーターのひとつです。
フィボナッチの種類を理解して描画方法をマスターし、MT5のチャート分析に活用してみてはいかがでしょうか。