MT5の平均移動線ってなに? 平均移動線の設定方法や使い方を知りたい。
あなたは今、このようにお考えですよね。
移動平均線とは、過去N日(時間/分)間の終値の平均値を結んだインジケーターです。
平均的な動きを視覚化しているので、中長期のトレンドを読みやすううえ、短期の異常な値動きを無視できるという特徴があります。
移動平均線は活用度が高く、基本的なインジケーターのひとつです。
ここではMT5の平均移動線の設定方法と、種別、そして使い方について詳しく解説していきましょう。
MT5の移動平均線を詳しく解説
MT5 移動平均線の設定方法
MT5における平均移動線の設定方法は、メニューの「挿入」から「インディケータ」を選び「トレンド」内にある「Movig Average」を選択します。
またMT5のナビゲータから「インディケータ」から「トレンド系」に進み「Movig Average」をダブルクリックまたはチャート上にドラッグアンドドロップします。
移動平均線を設定すると、ポップアップでプロパティが表示されるのでパラメーターの設定を行います。
設定方法は、平均移動線の期間・種別・適用価格・スタイル・シフトの項目にて行います。 まず移動平均線を計算する期間を指定します。
種別では、移動平均線を4種類から選びましょう。
- Simple(単純移動平均線)
- Exponential(指数平滑移動平均線)
- Smoothed(平滑移動平均線)
- Linear Weighted(加重移動平均線)
適用価格は、どの価格で移動平均線を算出するかを、7つから選択します。
- Close:終値
- Open:始値
- High:高値
- Low:安値
- Median(HL/2):高値と安値の平均
- Typical Price(HLC/3):高値、安値、終値の平均
- Weighted Close(HLCC/4):高値、安値、終値、終値の平均(終値の比率を2倍)
スタイルでは、移動平均線のラインの色、種類、太さを指定します。
シフトは、移動平均線を左右にシフトさせる場合に設定します。
マイナスの数値を入力すると、移動平均線が左側に動いた位置に表示され、プラスの数値を入力すると右側に動いた位置に表示されます。
すべての設定を終えたら、最後に「OK」を押しましょう。
なお平均移動線の設定方法は、パラメータの他にも、レベルや表示選択を行うこともできますので、任意でご利用ください。
MT5 移動平均線の種別
上項の通りMT5における移動平均線のパラメータには、以下のような種別があります。
- 「SMA」Simple(単純移動平均線)
- 「EMA」Exponential(指数平滑移動平均線)
- 「SMMA」Smoothed(平滑移動平均線)
- 「LWMA」Linear Weighted(加重移動平均線)
一般的な平均移動線は「SMA」と「EMA」です。 そこでここからは各移動平均線の違いについてもう少し詳しく解説していきます。
移動平均線【SMA】
MT5のSMAは、過去N日間の終値の平均を結んだごく基本的な平均移動線です。
素直にデータを反映するというメリットがある一方で、重要と思われるデータも公平に扱ってしまうというデメリットもあります。
また、あくまでも平均値なので動きが実際のマーケットよりも鈍くなってしまいます。
移動平均線【EMA】
MT5のEMAは、時間の重み付けをした移動平均線です。
直近の価格のほうがウェイトを占めるので、実際のマーケットに近い動きになります。
一方、ダマシの影響を受けやすくなるというデメリットがあります。
短期売買メインの人は若干注意しておいたほうがよいかもしれません。
移動平均線【SMMA】【LMMA】
MT5のSMMAは、単純移動平均線の値を参照するため、なめらかな放物線を描くため、反応が鈍いというデメリットがあります。
LMMAは、EMA同様に時間による重み付けをした移動平均線です。
EMAは直近の移動平均だけを重み付けしますが、LMMAは過去になるほどウェイトを軽くするような方式になっています。
比較的平均的に重み付けがされるので、単純移動平均線よりは現在のマーケットに追従する一方で、EMAよりはやや鈍い反応といった印象です。
またMT5以外のプラットフォームでは利用できないこともあります。
MT5 移動平均線線の使い方
MT5における移動平均線の使い方は、一般的に以下の通りです。
- 手順1.「短期・中期・長期」の3本の移動平均線をチャート上に表示する
- 手順2.チャート分析する
まず基礎知識として以下の移動平均線の期間は、活用度が高いことを覚えておきましょう。
- 日足チャート:5、20、21、25、75、200など
- 週足チャート:13、26、52など
移動平均線に短期・中期・長期から各期間を設定・表示する
なお移動平均線は、トレード手法に合わせた組み合わせをする使い方が効果的ですので一例をご紹介しましょう。
いずれも日足ですが、まず短期トレードでは以下の移動平均線がおすすめでしょう。
- 短期5・中期10・長期25
- 短期5・中期20・長期40
中期トレードの移動平均線も日足ですが、以下の通りです。
- 短期5・中期25・長期75
- 短期20・中期40・長期200
- 短期25・中期75・長期200
長期トレードの移動平均線は、週足で短期13・中期26・長期52の組み合わせがあります。
もっとも利用されるのは、「短期25・中期75・長期200」の移動平均線ですが、自分のトレード手法に応じて設定を行ってください。
移動平均線をもとにチャート分析を行う
MT5に移動平均線を設定したあとの使い方は、テクニカル分析の知識をもとにチャート分析を行います。
- ゴールデンクロスとデッドクロス
- グランビルの法則
短期と中・長期の移動平均線が下から上抜けすることをゴールデンクロス、逆に上から下抜けすることをデッドクロスと言います。
移動平均線の方向や交わり方でトレンドの転換やエントリーポイントの見極める使い方ができます。
グランビルの法則とは、移動平均線とローソク足の位置関係によってエントリーポイントを判断できます。
いずれも移動平均線の中でもメジャーな使い方になりますので、MT5でも使ってみてはいかがでしょうか。
MT5の移動平均線を詳しく解説まとめ
MT5の移動平均線について詳しく解説しました。
4種類の移動平均線が使えるMT5ですが、一般的に活用されているものはわずかSMAとEMAの2種類ですので、好みで選びましょう。
移動平均線の設定方法と使い方をマスターすることで、MT5での勝率を上げることができます。
そもそも移動平均線を使いこなすためには、テクニカル分析の知識が必要になりますので、参考書などで勉強をしてください。
きちんと移動平均線を理解したうえで、FXトレードを行いましょう。