MT5はプロも使うと言われるほど高機能なFX専用の取引プラットフォームです。
しかし、海外製のプラットフォームであることから使い方が独特という声も少なくありません。
また、高機能とはいえ完全無欠というわけではありません。
そこで不足を補ったり、自分がすでに慣れ親しんだ使い方に変えたりするために愛用されているツールがスピード注文です。
そこで今回はMT5のスピード注文について詳しく解説していきます。
MT5のスピード注文を詳しく解説
MT5のスピード注文とは
MT5のスピード注文とは、第三者が作成した多機能な注文ツールです。
MT5公式のツールではありません。
ただ、かなり本格的に作成されており、ユーザーの声を細かく拾い上げて常にブラッシュアップされている極めて高機能なツールです。
MT5自体の注文パネルも高機能ですが、さすがに完璧とまではいえません。
そうした少しばかりの不満を感じる人の多くはスピード注文を導入して不足点を補っているようです。
なお、本来のスピード注文はMT5ではなく旧バージョンであるMT4向けのツールです。
実際の名称も「MT5スピード注文」ではなく「MT4スピード注文」です。
しかし、問題なくMT5でも稼働します。
そこで今回は単にスピード注文として、MT5での稼働を前提に解説していきます。
MT5のスピード注文の特徴
MT5のスピード注文には実に多彩な機能が搭載されています。
すべてを挙げるのは難しいですが、中でも特徴的なのは以下の部分ではないでしょうか。
・全決済
・両建てトレード
MT5は決済に関しては個別にポジションをクローズしていくほかありませんでした。
ここは短期売買を繰り返す人には不評を買っていたところです。
その点、スピード注文は保有するポジションの全決済機能が存在します。
また、それと似たように、MT5で両建てするにはそれぞれのポジションを個別に建てる必要がありました。
これもスピード注文ならば一気に両建て可能です。
スピード注文には他にも多彩な機能がありますが、とりあえずこの2点を理由に利用する人が多いように見受けられます。
なお、最近のアップデートで実はMT5にもデフォルトで全決済機能が追加されたようです。
ただし、利用している業者やプラットフォームの違いによって使えるないこともあるようです。
安定して全決済したいのであればスピード注文を導入するほうが確実かもしれません。
MT5のスピード注文のダウンロード方法
MT5のスピード注文は開発者のウェブサイトからダウンロードできます。
ただ、ダウンロードしただけでは使えません。
ダウンロードしたファイルは解凍して、さらにMT5へ導入する必要があります。
MT5関連のプログラムはMQLという言語で作られており、それに関するファイルは専用の「データフォルダ」で管理されています。
データフォルダはMT5のメインメニューから簡単に参照できます。
スピード注文のデータを解凍したらそれをデータフォルダへ格納しましょう。
あとはMT5を再起動すればスピード注文が反映されるはずです。
ちなみに、このやり方はスピード注文にかぎらず、カスタムインジケーターの導入でも同じです。
MT5では一般的な操作なので早めに慣れてしまいましょう。
MT5のスピード注文は有料化してしまった?
現在のMT5のスピード注文は無料で使えます。
実はMT5のスピード注文を使うにはパッケージのダウンロードのほか、ライセンスの購入も必要です。
このライセンスは今のところ無料で購入できます。
しかし、すでに2023年12月からの有料化が決まっています。
価格はベーシック版が年額1,980円、プレミアム版が年額4,980円。
決済方法はPayPalのみです。
決済方法は増える可能性も低くはないかと思いますが、これは分かりません。
今はまだ見送るけれど将来的にスピード注文を導入するつもりという人は、事前にPayPalのアカウントは作っておいたほうがよいかもしれません。
ちなみに、ベーシック版には技術的なサポートが一切ありません。
本格的にMT5でFXをするのであればプレミアムの4,980円は決して惜しむべき価格でもありません。
また、多少の投資を惜しんで開発者の方が開発をやめてしまっては元も子もありません。
スピード注文を愛用しているのであれば、個人的にはお布施の意味も込めてプレミアム版の購入をおすすめします。
MT5にスピード注文は必須?
MT5のスピード注文は必須のツールという声も少なくありません。
しかし、個人的にはMT5にスピード注文は必須とまでは思えません。
MT5デフォルトの注文パネルでも十分すぎるほどに高機能な印象です。
導入が面倒という人は無理に使う必要はないでしょう。
ただ、費用面が問題という人はそれだけで諦めるのは早計かもしれません。
MT5のスピード注文はいまならば無料で使えるのは先に触れたとおりです。
また、有料化後にも2週間限定で試用版が使える予定です。
有償で使う価値があるかどうかはそちらで実際に使い勝手を試してからでも遅くはないでしょう。
MT5のスピード注文が向いている人
スピード注文は国内FXからFXを始めた人にとくにおすすめです。
MT5の注文パネルは十分に高機能なのですが、国内FXとは様相がまったく異なります。
成行、指値といった注文方法こそ共通しているものの、その他の注文方法は国内FXとはまったく違います。
設定次第で同じような機能を実現できますが、慣れるまでは戸惑うのは必至かと思います。
しかし、スピード注文を導入すればこうしたMT5ならではの注文方法に戸惑うことも少なくなるはずです。
全決済や両建てにこだわらないとしても、MT5のインターフェイスを国内FXに近づけたい人にとってスピード注文はかなり有用なツールになることでしょう。
なお、参考までに国内FX経験者がMT5で戸惑いがちな注文方法は以下のとおりです。
・Limit・・・指値
・Stop・・・逆指値
・Stop Limit・・・条件付き発動の指値注文
はじめは戸惑っても慣れてしまえば意外とシンプルです。
たとえば「Limit=注文価格を事前に限定(Limit)するから指値」「損切り(損失のStop)に使われやすいから逆指値」といったように覚えてみるとよいかもしれません。
また、かなり分かりづらいStop Limitについても無理に使わずとも問題ありません。
諸事情でスピード注文が使えない人は、とりあえずMT5デフォルトの注文に慣れるよう努めてみてはいかがでしょうか。
MT5のスピード注文を詳しく解説 まとめ
MT5のスピード注文は、ある開発者が独自に開発・リリースした高機能な注文プログラムです。
MT5デフォルトの注文パネルでは不足する機能を補えるため、短期売買メインの人を中心に多くの人に愛用されています。
ただし、現在は無料で利用できるものの、将来的には有料化する予定です。
また、たしかに高機能ではあるとはいえMT5に必須とまでのものでもありません。
MT5の注文パネルはとっつきにくいところもありますが、慣れれば案外シンプルです。
もしスピード注文の導入が難しいという人は無理に使っていくほどではないのではと思います。